stsの日記

本当に自由な日記です。ゆるい気持ちで見てやってください。

渡辺明先生と山崎隆之先生のお話

どうもstsです。

相変わらず更新されない当ブログ。久々の記事投稿です。

先日、棋聖戦の決勝トーナメント準々決勝で渡辺明九段と山崎隆之八段の一戦が行われ、山崎八段が勝利。準決勝進出を決めました。

この両先生の対局は個人的に楽しみな対戦カードなので、今回はそれについて少し書いてみます。

 

渡辺先生といえば、王様を固く囲った状態から細い攻めを繋げるを得意とする棋風。その平成を代表する棋風は「現代将棋の申し子」とも呼ばれました。また理論派であり、解説や感想戦などでは、明快でハキハキとして口調はわかりやすく、ファンからの人気も高いです。

 

そして山崎先生は、誰も思いつかないような序盤戦術で、力戦系の将棋を好む棋風。明らかに損に思えるような序盤から、中終盤でジワジワ巻き返し、NHKの将棋講座での愛称で「チョイワル王子」とも。その才能溢れる天才肌な棋風ながら解説などでは自虐的な発言を多く吐くのが特徴です。

 

この両先生、2000年代初頭にプロ入りを果たし、そして10代半ばでのプロ入りでした。

若手時代からともに高勝率を残し、活躍。渡辺先生は19歳で王座戦の挑戦者に、山崎先生は22連勝を記録。かつて小学館から発売された『最強将棋道場』でも注目の若手棋士の欄で「東のヤング魔王(渡辺先生)と「西の将棋王子」(山崎先生)という異名で揃って紹介されていました。しかし「西の将棋王子」はともかく、「東のヤング魔王」とは凄い異名だと感じます(笑)

 

そして2004年度、渡辺先生は20歳の時に森内俊之竜王(当時)から初タイトル竜王を獲得。これは当時歴代3位の若さでの初タイトル獲得で大きな話題を呼びました。そしてその年度末、山崎先生はNHK杯の決勝戦羽生善治四冠(当時)を破り、優勝。さらには翌年度の朝日オープン選手権でこちらも羽生先生への挑戦権獲得を決めており、新世代の二人が一気に突き抜けました。また当時は二人は、2004年度末時点での通算勝率は7割を超えていた。

 

また同じ世代の棋士では松尾歩先生、阿久津主税先生、村山慈明先生などもおり、別冊宝島社から発売された『将棋「次の一手」読本』では、羽生世代と新世代の構図で大きく取り上げられていました。

 

翌2005年度、山崎先生は朝日オープン選手権で敗れたものの、渡辺先生は竜王を防衛。そしてこの年度で二人は揃ってC級1組からの昇級を果たします。当時はB級2組以上に20代がいなくなっており、新たな世代の突き上げが来た感じが大いにありました。

当時は羽生善治先生や森内俊之先生や佐藤康光先生といった「羽生世代」全盛期であり、羽生世代より少し下の三浦弘行先生や鈴木大介先生、久保利明先生といった「ポスト羽生世代」、そして谷川浩司先生や高橋道雄先生や井上慶太先生といった「55年組」もおり、上に強力な世代が固まっていました。

そしてさらには、加藤一二三先生や内藤國雄先生は当時66歳ながらB級2組でバリバリ指している時期で本当に上の世代が強烈に詰まっており、ポスト羽生世代も30代に入り、B級2組以上に20代が消えた珍しいタイミングでした。

そんな中、この二人がB級2組に入り、渡辺先生は翌年度に1期抜けを果たし、後を追うように山崎先生もその次の年に昇級を果たしました。

 

その後、二人は竜王戦には1組に昇級。A級にも昇級を果たし、棋戦優勝も幾度となく果たした。当時、羽生世代全盛期にポスト羽生世代とは違う明らかに一つ下の世代が出てきたことにより、「世代抗争」というものが見れた時期であり、新世代の旗手と呼べる二人の活躍がありましたた。

そしてこの二人の真逆とも呼べる棋風のぶつかり合いは見ていて非常に楽しいものがります。かつて「新世代」と呼ばれた二人も今年40代に入ります。これからの両先生の対局を楽しみに期待しています。

ではまた!